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「私だけは大丈夫!」正常性バイアスとは?

「まさかそんなことにはならないでしょー」「大丈夫大丈夫」

そう思って行動して後からよくよく考えて見たら「あれって危なかったよね」と思ったことありませんか?

災害などが起こったときに、逃げ遅れてしまう心理のひとつとも言われている正常性バイアスについてのお話です。

正常性バイアスってなに?

正常性バイアスとは、心理学の専門用語です。

「まぁ大丈夫でしょ」という心理のひとつとも状態の事です。災害やトラブルなどの、好ましくない状況や現実を実際に起こっていることよりも過小評価することで「自分は大丈夫だ」と思いこませしまうのです。

災害で逃げ遅れる心理状態を作っているのはこの正常性バイアスだとも言われています。

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実際に災害などで自分に危険が迫っている状況において人は「ヤバそうだけどまぁ大丈夫だろう」と判断してしまうことがあるそうです。例えば、避難指示が出ていても避難しないとか、台風が直撃している時にサーフィンをしたり屋根種修理をしようとしたり・・・普通に考えたら「それはだめでしょー」と思うのですが、それをしてしまう人が一定数いますよね。これも正常性バイアスなのかもしれません。

正常性バイアスは心の平穏に保つためのもの?

命の危険があるかもしれない”やばい状況でも、それを過小評価して「まぁ大丈夫でしょ」「大したことはないさ」「大事にはならないよ」と判断する・・・。

このような心理状態になるから危ない目にあってしまうこともありますが、その反面。「大丈夫大丈夫」と思う事で冷静でいられるというメリットもあります。

トラブルや災害が起こったときにこそ、慌てずに冷静に対処しなければなりません。焦りは判断ミスにつながりますから、冷静さは大切です。

別の側面から見れば正常性バイアスにもまたメリットがあるという考え方もできるでしょう。

ただ、その反面「危なそうだけど大丈夫」と思い込んでしまうことで、自らを危険な目に遭わせてしまうこともあります。心理をコントロールすることはなかなかできませんが、人の心の作用として「正常性バイアスというものがある」ことを頭の隅に置いておけば何かが起こったときに冷静に正しい判断ができるかもしれません。

正常性バイアスだった?逃げ遅れそうになった・・・

大雨が降っていたときのことです。ものすごい雨で自宅前の用水路が溢れそうになっていました。

時間はまだ夕方。この時に逃げておけば良かったのに私はなぜか「まぁ大丈夫でしょ」と思い、自宅の二回から水が溢れている道路と用水路を動画に撮ってSNSにアップするというのんきな行動をとっていました。

そしたら、その動画を見た全く知らない方が「暗くならなうちに避難した方が良い」と言ってくださって。

私は「面倒だなぁ」とも思ったんですが、一応避難しておくことに・・・。

そしたら、その日の夜中にさらに雨が降って、自宅は床上浸水。もし、あのタイミングで避難していなかったら車はだめになってしまっていたはず・・・どうして大丈夫大丈夫だと思ってしまったのか、ハザードマップを見ても浸水の危険があるエリアだったのに。

ただ、怪我なとがなかったのでよかったです。

自分は大丈夫でしょ・・・そう思ってしまう正常性バイアスは時に、逃げ遅れの原因になることもあります。

周りが気を配ってあげること、周りが声をかけてあげることで解決できるケースもあるようですね。

参考資料:
Mika Yamamoto (2015年4月18日). “正常性バイアスを知っていますか?「自分は大丈夫」と思い込む、脳の危険なメカニズム”. tenki.jp. 日本気象協会
広瀬弘忠『人はなぜ逃げおくれるのか 災害の心理学』集英社〈集英社新書〉、2004年1月21日、第3刷

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